(photo:「中村佑介の黄色い日記」http://abenolife.exblog.jp/14950676/)
人気イラストレーター中村佑介さん(@kazekissa)が盗作被害をツイートして話題になりました。
すごいタイムリーなんだけど、こんなの→http://t.co/Q80D5dFzm4って良いことなんですかね? 本屋さんに行ってもこういうの多すぎて、その仕事への意識に落胆して、僕がしばらく書籍装丁、やめてました。 pic.twitter.com/oMW3O4yvQu
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 1
これは明らかに・・。全くの余談ですが「夜は短し歩けよ乙女」は所有しています。
サイン会ではこんなことも
サイン会でも「これ好きです!」と知らない本の描いたことない絵を見せられると、本当に困ります。そんな理由で、僕はここ3年は、書籍装丁の仕事は絞って、信頼できる担当編集者との仕事以外やらないことにしましたから。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 1
悪気がないだけに困りますよね・・。
クレジットをつける必要性
これを機会に、本、CDだけではなく、すべての商品には、デザイン、イラスト、写真、ほんと小さくでも良いので、クレジットつけた方が良いかもね。「素人目にはわからない」という逆手の刃で切りかかってくる人はたくさんいるので。もちろん血しぶきはお金ね。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 1
五輪エンブレムでは展開例の画像がクレジットを消されて使用されていましたね。
質問に答える形で五輪エンブレムの問題についても言及
僕個人としましては、「盗用した/していない」にはあまり関心がなく、記念すべき世界的行事のロゴマークにおいて「酷似したものがあった」という1点において、今回の取り下げは納得がいきましたので、これ以上の意見はございません。 https://t.co/JC6pEwigZh
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 1
新五輪エンブレム、京都っぽくないものを希望。きちんと東京っぽいのが見たいなぁ。そして子供も参加できる国民投票にして欲しい。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 2
日本っぽいもの=京都ではなく、東京らしいものが見たい。
子供も参加できる国民投票は賛成です(東京五輪の新エンブレムはニュージーランドの国旗みたいに国民投票で決めてはどうだろうか?)
デザインについて
デザインって、「商業」や「広告」や「印刷物」以前に、「みんながわかるアート」だと思っているので。トイレのマークみたく。料理や散髪みたく。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 2
中村佑介さん発言更新
先日のトレースチラシの件、デザイナーの池田ナヲキさんから直接、きちんと謝罪のご連絡を頂きましたので、ツイートを削除しました。これ以後、あの件について僕が問題にすることはございません。ご心配して下さった皆さま、話題にして下さった皆さま、ありがとうございました。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
きちんと謝罪の連絡があったそうです。該当ツイート削除
無断トレースして収入を得た過去の行いは決して良くないことだけど、大の男がそれを正直に謝れるのは偉いと思った。だっていくらでもノーコメントを通し、自然消滅で逃げ切るケースばかりだもの。だから今回だけは許しました。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
ただし、許したことと引き換えに、今後のトレース問題に役立てる為、その思考の分析に協力してもらいます。それを元に、やる人もやられる人も、根元からごっそり解決策を見いだせればいいなと思っています。またいつか忘れた頃に、それとなしに話します。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
以上。巻き込んでしまった皆さまへのご報告を終わります。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
この件を通じて、発言の趣旨など
この件を通じて私たちが考えること
今回の僕の作品に対する一連のトレース問題のキーは、「町のパン屋がドラえもんのパンを作ること」だと感じました。全国チェーン展開していない、田舎町で家族3人で営んでいるパン屋さん。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
他にも、「お祭り景品のジャニーズの生写真コピー」や「実演飴細工のピカチュウ」、大人の方でも最近の「ネイルアート」やスマホの「ラインストーンアート」など、使用許諾を取っていないであろう商売の実例はたくさん見かけます。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
もちろん今はインターネットの集合知により、専門家でなくても、「あんま詳しくないけど、著作権やキャラクター肖像権は大丈夫かなぁ?」ということは誰しもが薄々は気付いています。それは売る人も、買う人も。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
信号がある風景を想像してみて下さい。車の通りが激しい都会の信号と、車の通りがほとんどない田舎町の信号。急いでいる場合、後者なら「ま、いいか」と渡る人、多いと思います。もちろんどちらもいけないことです。そして例に出した「ドラえもんのパン」は後者に近い構造になっているでしょう。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
田舎での信号無視や、ドラえもんのパンを子供に買ってやること、そして今回のケースなら、「町の美容院のチラシでのトレース」。そこに悪意があるかと考えると、僕はほとんどの場合は本人には、こちらが予想しているより自覚がないと捉えています。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
想像するより悪意がないとしても、ではなぜそのような事をしてしまうのか。それはその先の目的の方を大きく捉えているからで、「遅刻しそうだから」「お金が必要」「喜んでもらえると思って」「自分では描けないけど上手く見せたい」「単純に好きだから真似した」などなど。他にもあることでしょう。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
で、想像を続けて下さい。先を急いでいるので誰も見ていない田舎で信号無視した自分に、3週間後、街角で知らない人から「オイ!俺は見てたぞ!!信号無視したろ!!!」といきなり胸ぐらを掴まれ時の一言目、あなたは何と返しますか?
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
ほとんどの人の一言目が「…ハァ!?何のことですか??」だと思います。一言目に「ゴゴゴ、ゴメンナサイッ!!」と即座に返せる人は、元々、どんな時でも信号無視をしない人でしょう。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
で、特にネットにおいてはこの「…ハァ!?」が取り消せず、活字として残って、メガホンのように拡散、拡大解釈を繰り返し、見る人の頭の中にどんどん生粋の悪者のイメージが彫刻され、やった方は後に引けず罪を認め辛くなり…ってケースは考えられるなと、今回の自分の一件に関しては思いました。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
それはまるで、小さな頃、「さ、この面クリアしたらゲームやめて、宿題しよう」と思った瞬間に、母親から「いい加減!勉強しなさい!!」と怒られ、宿題をやる気をなくし、スネてしまった経験とちょっと似ています。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
「いま、やろうと思ってたのに!」「ウソおっしゃい!!」
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
さて、トレースや盗用に話を戻しますと、元々それらが起こらない事が、もちろん一番良い事です。ただし、同時に今回お話したような様々な「背景」「ケース」「ルール」があるからこそ、特にアマチュアや見つかりにくい社会内では、事前に全員に律することは難しいだろうなとも率直に感じます。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
例え、国民全員に「著作権法を全文読んで下さい!」と叫んでも、ほとんどの人が「面倒くさいし、バレないから、またいつかね…」となるみたく。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
なのでせめて、講演会で、また「みんなのイラスト教室」で、そしてここTwitterで順調にフォロワーが減って行くのに、それでも残って耳を傾けて下さるあなたたちに希望をかけて、そのきっかけをお話しし、少しでも知見を広めていければと願う次第です。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
そう、今回の発言の趣旨は、「されたらどうするか?」です。もしこの中で、トレースや盗用により、ヤな気分になってる若い方がいらっしゃったら、その発言や行動の真の目的が、「とがめたい」なのか「やめさせたい」なのかを一度飲み込んでから、冷静に動いてみる、ひとつの参考になれば幸いです。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
あとは大人の方は一度持ち帰って頂き、各自のお家で考えて下されば、とても助かります。世の中のすべてのものがデザインされている今の日本においては、「デザイン業界」なんていうのは、庭を共有したただの隣の家ですから。(おしまい)
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 5
おまけ
飲み込めない方もいらっしゃるかもしれませんが、今日のところはコレに免じて許してあげてください。(小学館から「訴えますか!?」と聞かれましたが、「これは子供の目には届かないし、僕は笑っちゃったので大丈夫です」と言った週刊誌の袋とじ頁) pic.twitter.com/J6dzvnZbXa
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 4
問題は別にして、中村さんの対応が素敵ですね。
ま、今の「謎解き~」表紙のエロパロも、見る人が見たら不快だし、「え、どういうこと?中村さんが描いたの?」と取る人もいる。小学館は怒った。僕は笑った。だからこれはとっても複雑な問題なので、ちょっと熱を冷ましてから、また一緒に考えましょう。
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 4
紳士的な発言を通して見える中村佑介さんという人・・惚れる。
中村佑介さんとは?
人気ミュージシャン「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のCDジャケットや、「夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)」や、赤川次郎ベストセレクションの文庫カバーで知られる人気イラストレーター。(参照元:公式サイト)
「四畳半神話大系」のキャラクターもとても良かったですよね。
中村佑介さんは音楽もやっています
調べるとセイルズというバンドもしているそうです。ちょっとひねくれたキテレツ系の音楽をしているのかと思いきや・・
POP直球のギターポップバンド!
イイ!!
さらに調べると
中村佑介さんの絵を描くきっかけ
小学4年生の頃、女性の体に興味を持ちエロ漫画を描くことに目覚め、女性のM字開脚の絵ばかり大学ノートに描いていたところを母に見つかり、「そんなに興味があるんだったらお母さんの見せてあげようか?」と言われ、それ以来女性が苦手になってしまったという。大学入学後にパソコンに出会い、同時期に起こっていた美少女ゲームブームに影響を受け、ゲームイラストの仕事を志すようになった。(参照元:wikipedia)
中村さんの描く女性にはどことなく色気のようなものを感じますよね。
中村佑介さんの趣味
趣味は漫画やゲーム、アダルトビデオの鑑賞など。(参照元:wikipedia)
飾らないところがすごくイイですね。
・・知れば知るほど好きになりそう。
中村佑介さんの最新情報
そんな中村佑介さんは「みんなのイラスト教室」という本を10/1発売予定。
五輪のエンブレム問題のお陰で多くの人が「デザインとは?」を考える良いきっかけになりましたが、「学校では学べないイラストの描き方と考え方、そして見方がわかる本」とのことです。
この本をチェック(予約)してみたいという方はこちら
アマゾンの予約ページ「みんなのイラスト教室」。
10月発売「みんなのイラスト教室」&「カレンダー2016」あわせて2070円。
http://t.co/2rSzlnM3VX http://t.co/a47V3nO3FQ pic.twitter.com/qAo0P9Q3ZR
— 中村佑介 Yusuke Nakamura (@kazekissa) 2015, 9月 3
調べてみると、とても魅力的な人でファンになってしまいました。
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