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東京五輪エンブレム、佐野氏のデザインが使用中止へ

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佐野研二郎氏のデザインしたエンブレムの使用を中止する方針

2020年東京オリンピックのエンブレムについて、大会の組織委員会は佐野研二郎氏のデザインしたエンブレムの使用を中止する方針を固めた模様、このあと臨時の会議を開いて最終決定し、新たなエンブレムをどうやって決めるのかなど今後の対応を検討することにしています。

展開例の画像などもパクリ疑惑を指摘

東京大会のエンブレムを巡っては、アートディレクターの佐野氏がデザインしたエンブレムが、ベルギーのグラフィックデザイナーが2年前に作った劇場のロゴマークに似ているとして、IOC=国際オリンピック委員会に対しエンブレムの使用差し止めを求める訴えを先月、ベルギーの裁判所に起こしたほか、佐野氏が組織委員会に提出した空港や街中での展開例の画像がインターネット上から無断で転用されているのではないかという指摘が出ていました。
これを受けて組織委員会は1日午前、佐野氏本人に事情を聞いたうえで協議し、東京オリンピックとパラリンピックの2つのエンブレムの使用を中止する方針を固めました。

写真無断複製は著作権法違反

写真の無断複製について、文化庁の著作権課は、著作物に当たる写真には自然に著作権が発生するので、それを無断で複製すれば原則として著作権法違反に当たります。

著作権の侵害により、損害賠償の責任を問えるかは故意もしくは過失の有無によって判断されますが、中には「著作権フリーの素材だと思い込んでいた」という思い込みによるトラブルになるケースもあるため、一般の人の中にも自分の著作権であることを表記するケースも増えています。

今回、展開図のイメージ画像のもとになったと指摘されている羽田空港の写真の撮影者も著作権が自分にあることを写真に記していましたがデザイン時に削除されていることがしてされています。この行為について文化庁では「一般的には著作権者が記されているにもかかわらず、無断で写真を複製したのであれば、悪質な侵害の部類に入り著作権法に抵触するおそれがある」とコメントしています。

佐野氏事務所のコメント

佐野研二郎氏の事務所はNHKの取材に対し、「使用中止の方針が決まったことについて、把握しているかどうかを含めて佐野氏と広報担当者が不在のため、コメントできない」と話したうえで、「今日中に会社のホームページでコメントしたい」としていることから発言に注目が集まります。

(更新)
※佐野氏は展開例の画像の無断転用を認めました。

ネットからパクったものは・・

今回の疑惑では度々「ネットからパクった(無断で使用した)」という声が多く上がり、実際にネットのユーザーたちが多くの「疑惑の画像の元」と思われる画像を見つけたことで疑惑の声が拡がりました。ネットからパクったものがネット(のユーザー)によって暴かれ裁かれるというのは避けられない印象を強く感じました。むしろ2015年に、しかも世界が注目するようなデザインをネットからパクって大丈夫だろうという安易な考えが恐ろしい気もします。

今回、こうしたデザインが一部の特権で回されていることも浮き彫りになりました。(パクリをしない)信頼がある特定のデザイナーを起用するのは良いと思いますが、作品を審査する側がより慎重に選んでいかなければならないことは今後の課題ではないでしょうか。

今後のオリンピックエンブレムのデザイン

佐野氏のオリンピックエンブレムのデザイン使用中止によって新しいデザインが登場することになりますが・・「パクってないデザイン」の登場に期待です。


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