iらんど

黒歴史の巣窟、魔法のiらんどの思い出

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今から10年位前、多くの若者が「魔法のiランド(※1)」というモバイル系のHP作成サービスにこぞって参加をしていました。

日記を書いたり、ポエムを綴ったり、小説を書いたり、エッチなサイトを探したり・・と大活躍だったサービスに、今「最近の若者はネットのリテラシーがね〜」と言っている僕らの青春の思い出がたくさん詰まっています。「ブログ」という言葉もあまり一般的ではなかった頃の話です。

主な機能は、「日記」、「掲示板&伝言板」 、「キリ番掲示版」 、「リンク」、「秘密」 等で、それらは誰でも携帯電話上で簡単に設置ができたし、アイポリス(※2)によって管理されていたし、無料で使い勝手が良かったのです。実際に当時のアマチュアのバンドなんかもこぞって利用していました(マキシマム・ザ・ホルモンは有名になった後も公式がしばらくiらんどだったような記憶)。

インターネット上に自分のことを気軽に発信できる場所が持てることがとても「スッゲー!」だったのです。

「ようこそ◯◯のホームページへ(点滅)」
「あなたは◯◯人目の訪問者です(文字が横から)」

そんなサイトを毎日のように見ていたし、実際に自分なんかもそこにティーンの頃にありがちな内容の日記を書いていました。当時はパケ放題サービスもなかったのでパケット通信でとんでもない金額が請求が来たといった話もよくありました。しかし僕たちは頼まれてもいないのに毎日のように日記を書き、他サイトへ相互リンクをお願いしたり、私書箱への連絡やキリ番にわくわくしたりしていたのです。

いつ頃から利用をやめてしまったのか正確な時期は思い出せませんが、携帯電話の画面が大きくなるにつれ、そしてガラケーからスマートフォンに変わっていくにつれてユーザーは離れていったことを憶えています。

最近、そういえば「iらんど」から小説なんかも発売されたっけな・・と思い出して調べてみると現在「魔法のiらんど」はガールズポータルサービスとして運営されていることがわかりました。(魔法のiらんど公式サイト)

当時書いていた日記の内容は黒歴史ではありますが、考えてみると自分の場合は今こうやって記事を書いていることや、デザイナーやWEBに関わる仕事をするきっかけにもなっていて、「iらんど」のお陰で今の自分があったりもします。

ありがとう、魔法のiらんど。

※1 携帯電話向けの無料ホームページ作成サイトサービス。今でいうとTumblrのサービスが似ているかもしれない。
※2 アイポリスは魔法のiランド内のコミュニティサイトを巡回し、警告あるいは削除を行い、障害者雇用も積極的に行っている会社。

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