ルイヴィトン

ルイ・ヴィトンの柄は1,300年前の琵琶の柄のパクリなの?

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(photo:紫檀木画槽琵琶/正倉院展67回ポスターより)

ルイ・ヴィトンの柄と1,300年前の琵琶の柄が似ている

奈良国立博物館(奈良市)は29日、「第67回正倉院展」を、10月24日から11月9日まで開催すると発表した。背面に精巧な花の文様が施された「紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)」など計63件が出展されたのですが、この「紫檀木画槽琵琶」の柄がルイ・ヴィトンの柄に非常によく似ています。ルイ・ヴィトンも琵琶もどちらも素晴らしいデザインですね。

ルイ・ヴィトンの柄は日本文化にインスパイアされたもの

モノグラムの柄が日本の「家紋」に影響を受けているなど、ルイ・ヴィトンのデザインについて面白い記事を見つけました。

フランスでジャポニズムがかなりの盛り上がりを見せていた当時、2代目を継いだ、ジョルジュ・ヴィトンは新作を発表します。それが「モノグラム」。ルイ・ヴィトンのデザインを代表するといっても過言ではない、このモノグラムは、様々な文化の中でも、特に日本のある文化の影響を強く受けていると言われています。それは「家紋」です。実は、当時ルイ・ヴィトンを悩ませていひとつの問題がありました。「模倣品」いわゆるニセモノ品の横行です。ルイ・ヴィトンの活躍を妬む同業者によるニセモノに対して、ルイは次々と新しいデザインを生み出すことで対抗したのです。そして次に生まれたのが、日本の市松模様の影響を受けたとも言われる「トアル・ダミエ」。しかし、一向になくならないニセモノに、もっと複雑な柄を描かなければ、ということで生まれたのが、ダミエと同じく、日本文化である家紋の影響を受けたと言われるモノグラムだったのです。創業者のルイ・ヴィトンのイニシャル、そして花・星を表すこのモノグラム。実際、ジャポニズムの巻き起こっていたパリではなんと日本の家紋を紹介する本がベストセラーとなっていたという事実もあるのです。(参照元:ニッポンヲシロウ!

昔はなんと職人によってひとつひとつ描かれていたというモノグラム。工房にはモノグラムに影響を与えたかもしれない、日本の漆塗りの「櫃」がいまも残されています。(参照元:ニッポンヲシロウ!

日本の現代美術家である村上隆さんとのコラボレーションもありましたが、ルイ・ヴィトンのデザインと日本は繋がりが強いんですね。

そして2003年、ルイ・ヴィトンは日本と再び深いかかわりをもつようになります。それが、村上隆とのコラボレーションシリーズの発表でした。そしてことし、ニューヨーク5番街にオープンしたルイ・ヴィトンのビルを設計したのが青木淳。ニューヨークのブルックリン美術館の改修設計などを手がけてきた青木は、古いビルの正面を白いガラスが覆うというデザインを発表し、世界中で大きな話題を呼びました。名古屋店・表参道店、そして昨日リニューアルオープンしたばかりの銀座・並木通り店などのデザインを手がけたのも青木氏なのです。世界の一流ブランド「ルイ・ヴィトン」。そこにはニッポンの文化が大きく影響を与えていたのです。(参照元:ニッポンヲシロウ!

紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)について

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「紫檀木画槽琵琶」は、ペルシャに起源を持つとされる4弦の琵琶で、正倉院に5面伝わるうちの一つ。ばちが当たる部分には、渓流に突き出した岩の上で、風景を眺める2人の文人が描かれる。背面は、象牙や緑に染めた鹿の角など異なる材料を組み合わせる木画(モザイク)の技法で、花の文様が規則正しく配されている。

パクリとオリジナルのボーダーライン

「2020年東京オリンピック」の公式エンブレムの盗作疑惑から発展した、担当デザイナーの過去制作物の盗作疑惑、はたまたデザイナーの仕事について・・今、デザインのパクリ(盗作)とオリジナルのボーダーラインについて多くの場で話題になっています。万が一、オリンピックの公式エンブレムが盗作疑惑という理由で変更になるようなことがあれば、デザイン業界にとって大きな衝撃を与えることになるでしょう。今後、「言ったもん勝ち」や「パクったもん勝ち」にならない為に新しい「ボーダーライン」の制定が必要なのかもしれません。影響を公表する、しないに関わらずデザインは過去のデザインや他者のデザインに影響を受けて制作(進化)されてきました。オリジナルとして昇華したと見なされる「ボーダーライン」は今後新たに制定されていくのでしょうか。

『広辞苑』の解説

・「盗作」
他人の作品の全部または一部を自分のものとして無断で使うこと。剽窃(ひょうせつ)。

・「引用」
自分の説のよりどころとして他の文章や事例または古人の語を引くこと。

・「リスペクト」
広辞苑には「見出し語」としてなし

・「オマージュ」
尊敬。敬意。讃辞。献辞。

2015年正倉院展67回ポスター

ルイ・ヴィトンの柄に似ていると話題になった正倉院の紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)の画像が67回の正倉院展のポスターとパンフレットに使用されています。正倉院2015

(最終更新2015年8月28日)

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